始めに
高配当株投資をするときには何かと目に入りにくい業界である水産・農林業。
ですが、私はきちんとポートフォリオの銘柄を分散させる目的でも1銘柄にのみ投資しています。
その会社名はアクシーズ。
この記事ではアクシーズに関して特徴や解説をしていきます。
水産・農林業株の特徴
アクシーズ社の解説・説明に入る前にまずは、水産・農林業の特徴について説明していこうと思います。
水産・農林業は17セクターに分類したときに食品のセクターへと分類されます。
景気が良かろうと悪かろうと生きていくには食べることが必要不可欠、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブな業界と言えるでしょう。
ですが、ここでネックになってくるのが為替。
円高で円の方が強いときには原材料を安く海外から仕入れることができますが円安時では原材料費を輸入するときにこうとうして思うように利益が上げられなくなるでしょう。
昨今の円安によって打撃を受けている企業は多いはずです。
また、高配当と言える利回り4%と言える銘柄もかなり少数。
利回りだけなら超えることもあるのですが安定して長期投資をすることができる銘柄はかなり少数。
私は分散投資の観点からこの業種において1社投資していますがポートフォリオに入れないというスタンスもよくわかります。
農林・水産業業界について大まかにでもわかったのなら次は投資している銘柄に関する分析の結果を紹介していきます。
私が判断している企業の項目は以下の8つ。
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
その中でも特に注視していきたい3つの項目である営業利益率、自己資本比率、配当性向を見ていきましょう。
1381_アクシーズ
紹介するのはアクシーズ。
鹿児島県鹿児島市に本社を置く企業です。
鶏肉を扱う企業としては国内大手の企業であり、ケンタッキーフライドチキン(KFC)への供給が主力。
外食チェーン店のピザハットにも提供しています。
飼料製造から加工まで一貫していて外食フランチャイズチェーンにも関与していること、良質で安全な鶏肉を提供しており、その「Antibiotic-Freeチキン(無薬飼育鶏肉)」は、低価格で美味しい選択肢として知られていることは特徴として挙げられるでしょう。
2024年3月時点での配当利回りは3.14%。
株主優待として5000円分の自社製品、つまり鶏肉加工食品が届きます。
配当権利確定月は6月と12月、支払いはその3か月後近辺に支払われることが多いです。
2024年3月時点での配当金は95円で前年より1.5円の減額となっています。
営業利益率
まずは営業利益率について。
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
年月 | 営業利益率(%) |
2010年 | 3.07 |
2011年 | 4.15 |
2012年 | 2.48 |
2013年 | 1.9 |
2014年 | 4.05 |
2015年 | 10.53 |
2016年 | 12.73 |
2017年 | 15.76 |
2018年 | 15.44 |
2019年 | 12.41 |
2020年 | 13.84 |
2021年 | 15.94 |
2022年 | 11.29 |
2023年 | 7.93 |
2024年 | 5.26 |
平均 | 9.118666667 |
営業利益率は下落する年もありましたが10%を超える年もあるほどです。
平均をとると9.11%、営業利益率に関しては適していると言えるはず。
自己資本比率
次は自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
自己資本比率についてもっと突っ込んだことを話すと、例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
肝心のアクシーズはどうなのかというとグラフと表以下の通り。
年月 | 自己資本比率(%) |
2010年 | 65.8 |
2011年 | 69.2 |
2012年 | 70.6 |
2013年 | 77.3 |
2014年 | 77 |
2015年 | 73.9 |
2016年 | 75.9 |
2017年 | 76.8 |
2018年 | 81 |
2019年 | 84.1 |
2020年 | 85.7 |
2021年 | 85.8 |
2022年 | 87.7 |
2023年 | 87.2 |
平均 | 78.42857143 |
このようになっています。
60%を超えて80%に到達するまでになっていることから投資しても安心感を持つことができるはずです。
配当性向
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えているからです。
アクシーズの配当性向に関する表とグラフは以下の通り。
年月 | 配当性向(%) |
2010年 | 21.96 |
2011年 | 16.57 |
2012年 | 21.52 |
2013年 | 26.9 |
2014年 | 14.5 |
2015年 | 12.9 |
2016年 | 16.1 |
2017年 | 12.9 |
2018年 | 19.8 |
2019年 | 24.9 |
2020年 | 24.2 |
2021年 | 21 |
2022年 | 27.5 |
2023年 | 38.4 |
平均 | 21.73636364 |
正直配当性向に関しては私の求める基準である30~50%を達成してはいません。
ですが年々少しずつ上昇していることから今後は改善されて30%代の水準に達するのではないかと想定しています。
現に2023年には30%を超えて38.4%という成績になっていることからも見て取れるでしょう。
とはいえ、この業界に属する他の銘柄よりも分析した項目の成績がいいので仕方なしの投資対象としており、ポートフォリオ全体のバランスをよりよくするために投資している銘柄と言えます。
もし、アクシーズより良い銘柄が見つかり次第すぐに乗り換えるはず。
私は2024年3月時点で11株保有しています。
まとめ
この記事では水産・農林業の高配当株に関して私の方有している銘柄であるアクシーズを紹介しました。
2024年3月時点でニッスイという企業も持っていたのですが営業利益率や配当性向、自己資本比率が良くならないので売っています。
ポートフォリオに含んでいない人も多いでしょう。
私は、あくまでポートフォリオのバランスを保つために投資しています。
投資は自己責任で