半導体などのハイテク製品が含まれる精密機器セクター。
日本だけでなく世界中で今後が期待されている業界です。
その中で投資しているのは
- 7775_大研医器
- 5187_クリエートメディック
- 6718_アイホン
これら3社。
現在、そして未来に伸びていく業界ですから優応な銘柄も多数。
この記事では上記3銘柄についてどういった分析をしているのか、どの数値を見ているのか、わかりやすく書いています。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
精密機器業界の特徴
ますは精密機器業界の特徴について。
精密機器業界は、高度な技術力を駆使して、医療機器、光学機器、計測機器などを製造する業界です。
景気の動向によって業績や株価が大きく変動する景気敏感セクターで円安で儲けが大きくなるといった特徴もあります。
TOPIX-17シリーズでは電機・精密のセクターに分類されるようです。
カメラや時計、医療機器、計測機器など、非常に幅広い製品を扱っていてその技術力は世界的に見ても上澄み。
日本のメーカーは高い技術力を持ち、特に医療機器や光学機器の分野で強みを発揮していると評価されています。
多くの精密機器メーカーはBtoB取引の中心で例を挙げると
- 工場の自動化
- 自動運転技術
- IoT技術の進展
精密機器の需要が増加しているのはこのような業界です。
さらには上記の例から企業間の取引が多いということがわかるでしょう。
国際的には高齢化社会や医療技術の進行で医療機器分野での需要が増加しており、日本企業の国際競争力が問われています。
技術革新とともに成長が著しく今後も多くの分野で重要な役割を果たすことが期待されています。
分析する項目・用語解説
続いて私が判断している企業の項目について説明します。
以下の8つ
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
その中でも特に営業利益率、自己資本比率、配当性向は最重要視しています。
では、それぞれの用語を解説していきます。
まずは営業利益率について。
営業利益率とは?
まずは営業利益率について
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」のこと。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
自己資本比率とは?
次に自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
自己資本比率についてもっと突っ込んだことを話すと、例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
配当性向とは?
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えています。
権利確定月とは?
権利確定月とは株主や配当金を受け取るために必要な株主名簿に掲載される日。
具体的には、株主としての権利が確定する日であり、この日に保有している株数に基づいて優待や配当金の受け取りが行われます。
例えば、2024年8月なら権利確定日は8月30日(金)。
この場合権利付き最終日は8月28日(水)です。
この日以降に株を購入しても当該権利は得られません。
長くなりましたが先述した8項目の内、特に気にしているのが営業利益率、自己資本比率、配当性向。
上記3項目に関して、ある程度妥協はしつつも優先して分析しています。
では2社の成績はどうなのか見ていきましょう。
7775_大研医器
1社目に見ていくのは大研医器。
大阪府和泉市に本社を置く会社で主力製品は真空吸引器など病院感染防止や麻酔関連の医療機器。
つまり医療機器メーカーというように分類されます。
真空吸引器や医薬品注入器など、医療現場でのニーズに応える最先端医療分野開発に意欲的。
「COOPDECH(クーデック)」ブランドのもと、特許に裏打ちされた高度な製品を提供していて、なおかつそれらは外科用機器、歯科用機器、医用レーザー機器など、幅広い製品ラインナップを持っています。
医療機器メーカーらしく医療を通じて社会に貢献することを目指し、医療現場からのフィードバックを重視していることも特徴でしょう。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 22円 |
配当利回り | 4.15% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 3.61% |
ちなみに楽天証券では単元未満株、つまり100株以下での取引はできません。
違う証券会社を使うかまとめて100株買いましょう。
私はマネックス証券で投資しています。
営業利益率
まずは営業利益率
2010~2025年まではすべての年で10%を超えているので問題ない数値であると言えます。
自己資本比率
次に自己資本比率。
下限とする40%は余裕で越えていて平均すると約60%。
財務優良であると言えるでしょう。
配当性向
最後に配当性向について。
2010年代前半では40%代と適正なものの徐々に上がっていき今では60%代。
80%を超えても配当金を出すようになっているので若干無理しているのではないかと考えています。
一方、パンデミック等で上手く海外へと輸出ができなかった中でも無理して配当金を出したことから配当性向が上がったのではないか。
このように考察しています。
7715_大研医器のまとめ
- 営業利益率、自己資本比率は高水準
- 配当性向のみ高い傾向にあるので今後も注視が必要
5187_クリエートメディック
2社目に紹介するのは5187_クリエートメディック。
1つ前に紹介した大研医器と同じく医療機器メーカーです。
主にシリコーン製カテーテル(CLINYブランド)を製造・販売。
そして、それは高品質なシリコーン素材を使用しており、柔軟性と耐久性に優れています。
カテーテルは製品ラインも多様で尿道用や胃ろう用など、さまざまな医療用途に対応した製品を提供。
健康や生命にかかわる製品ですから安全性と信頼性を守るために厳格な品質管理と安全基準を遵守しており、医療現場での信頼性も抜群。
もちろん使用者である患者の快適性を他変えるために負担を軽減するための設計が施されており、長期間の使用にも適しています。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 6月と12月 |
1株当たりの配当金 | 39円 |
配当利回り | 4.10% |
入金される月 | 9月と3月 |
投資する利回りの基準 | 3.63% |
この企業も大研医器と同じく楽天証券では単元未満株として取引することができないので注意が必要でしょう。
では3つの数値を見ていきます。
営業利益率
1つ目は営業利益率。
表にまとめると以下の通りです。
2010年代前半は10%代、後半から2020年代になっても5%越えなど申し分ない数値であると考えています。
自己資本比率
2つ目は自己資本比率。
これも直近15年以内だとほとんどの年で70%越え。
財務良好であるということが目に見えてわかります。
配当性向
3つ目に配当性向について。
時たま100%を超えるなど相当無理して配当金を出したということがわかる年もあります。
特に2023年の218.7%は突出した数値でしょう。
とはいえ100%を超過した次の年は何とか下げようとしていることから企業の成長と株主への還元もきちんと考えているだろうと考察しています。
5187_クリエートメディックのまとめ
- 営業利益率や自己資本比率は申し分なしの数値
- 配当性向のみ、不安な値であるモノの高くなったらきちんと適正な値に戻そうという意識は見て取れる
6718_アイホン
3社目に紹介するのは6718_アイホン。
某社のスマートフォンと似ている名前です。
主にインターホンシステムの製造・販売を行っている企業でインターホン業界のリーダーと言っていいほど市場でトップのシェアを持っています。
インターホンの中でも住宅用TVホンが主力、住宅向けのテレビドアホンが主力製品であり、広く普及。
インターホンから繋がって防犯・防災とケア市場の強化にも力を入れており防犯・防災システムや、医療・介護向けのナースコールシステムなども提供している企業です。
1つ前に紹介したクリエートメディックなどと同じように欧米を中心に海外市場への展開を積極的に進めています。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 6月と12月 |
1株当たりの配当金 | 39円 |
配当利回り | 4.10% |
入金される月 | 9月と3月 |
投資する利回りの基準 | 3.63% |
では3つの項目をそれぞれ見ていきましょう。
営業利益率
まずは営業利益率。
2010年代前半の3年間は5%に満たないもののその後は約10年間5%を超過。
財務優良であることがわかります。
自己資本比率
次に自己資本比率。
80%が約15年続くなど極めて安定した運営をしているようです。
配当性向
2011年の329%のみドン引きする所ですがその後は徐々に安定した数値へと戻ってきているようです。
特に2020年か~40%くらいで安定しているので大丈夫だろうと考えました。
6718_アイホンのまとめ
- 営業利益率、自己資本比率は良好
- 配当性向も一時期はかなり高くなっていたが最近は安定的
実は買っていた銘柄
最後になりますが実は以前までこのセクターにおいて
7741_HOYAという企業にも投資していました。
私はトレードはほとんどしないのですがそれでもポートフォリオに適した銘柄ではないと考えたらすぐに売ります。
HOYAの配当利回りは2024年8月時点で0.55%。
株価は同時期時点で19895円ですので1株当たりの配当金は110円。
分析した当初は悪くない財務状況だったので投資しようと決めましたが後から振り返ったら配当利回りがあまりにも低すぎる。
取得したのが17000円代だったので+2500円くらいの利ザヤができました。
このようにポートフォリオで適した銘柄ではない/なくなった、こう判断したらすぐさま売りに回します。
まとめ
この記事では精密機器の高配当株として3社
- 7775_大研医器
- 5187_クリエートメディック
- 6718_アイホン
これらを紹介しました。
日本の誇るメーカーということもあり財務優良な銘柄も多いです。
楽天証券で投資できない銘柄もあるのでそこは注意しておくべき。
投資は絶対に自己責任で行うことを心がけましょう。