業績が安定しないということからあまり投資されないセクターである空運業セクター。
私も1社のみですが投資しています。
それが9233_アジア航測
空運業セクターに投資するかどうかはかなり意見が分かれることでしょう。
私がなぜこの銘柄に投資しているのか明確かつ分かりやすく説明していきます。
目次
業界の特徴
銘柄を紹介する前にまずは業界全体の解説。
ザックり言うと飛行機を使って人や物を運ぶ業界。
TOPIX-17だと運輸・物流セクターに含まれ、同じセクターには陸運業、空運業、倉庫・運輸関連業が割り当てられています。
景気敏感セクターに属する空運業。
最も大きな特徴は他の輸送手段と比べて非常に速く、緊急を要する荷物や新鮮な食品などの輸送に適しているということ。
つまり輸送スピードが極めて速いと言い換えることができます。
物を届ける範囲も幅広く、世界中へ物を届けることができるため国際物流において重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
一方で空運は速さの代わりに費用が高く、経済状況や燃料価格の影響を受けやすいです。
円安+燃料価格が下がれば、空運株にとってメリットの大きい状況になりますが原油価格の高騰により、航空券価格が値上がりしてしまいます。
もちろん円安は悪いコトばかりではなく外国人観光客が日本に来やすくなるため、人を運ぶ空運業の企業にとっては利点となるはずです。
ここまで業界の特徴を書いていきました。
つぎにこの記事で出てくる用語を解説していきます。
分析する項目・用語解説
続いて私が判断している企業の項目について説明します。
以下の8つ
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
その中でも特に営業利益率、自己資本比率、配当性向は最重要視しています。
では、それぞれの用語を解説していきます。
まずは営業利益率について。
営業利益率とは?
まずは営業利益率について
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」のこと。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
自己資本比率とは?
次に自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
より詳しく説明すると例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
配当性向とは?
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えています。
権利確定月とは?
権利確定月とは株主や配当金を受け取るために必要な株主名簿に掲載される日。
具体的には、株主としての権利が確定する日であり、この日に保有している株数に基づいて優待や配当金の受け取りが行われます。
例えば、2024年8月なら権利確定日は8月30日(金)。
この場合権利付き最終日は8月28日(水)です。
この日以降に株を購入しても当該権利は得られません。
長くなりましたが先述した8項目の内、特に気にしているのが営業利益率、自己資本比率、配当性向。
上記3項目に関して、ある程度妥協はしつつも優先して分析しています。
ではアジア航測の成績はどうなのか見ていきましょう。
9233_アジア航測
では9233_アジア航測について解説していきます。
アジア航測株式会社は空間情報技術を専門とする企業で空間情報コンサルタントとしても知られています。
この会社を語る上で外せないのは航空測量技術。
アジア航測は、航空写真から地図を作成する技術を世界で初めて実用化した企業でありこの技術は、解析航空三角測量法として知られています。
最新鋭の航空機とセンサーを使用して、空間情報の収集・解析を行い、地理情報システム(GIS)や3Dモデリングなどの技術を提供しています。
この地理情報システム(GIS)は3Dモデリングなどの情報システムを提供し、官公庁向けのコンサルティングサービスも実行。
環境にも配慮しており、その保全や防災に関するコンサルティング、自然災害時には迅速な情報提供を行っています。
他にも、持続可能な社会の実現として低炭素社会や自然共生社会の実現に向けた取り組みを推進。
技術革新も積極的でデジタルマッピングや航空レーザ計測など、先進的な技術を開発・導入し続けています.
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 3月と6月 |
1株当たりの配当金 | 44円 |
配当利回り | 3.96% |
入金される月 | 6月と9月 |
投資する利回りの基準 | 4.29% |
それでは業績を分析していきます。
営業利益率
まずは営業利益率。
2011年、2018年、2019年と5%を切るときもありますがそのほかの年はその数値を上回っています。
変動の激しい空運業の中ではかなり財務良好と言えるでしょう。
自己資本比率
次に自己資本比率。
これまた空運業においてだと財務良好でここ15年は常に40%を超えています。
近年は60%にも迫る水準で他の業界と比較しても何ら遜色ない数値です。
配当性向
最後に配当性向。
これはやはりというべきかかなり低いです。
かと思えば2011年には284%と一気に上昇しています。
低い理由としては典型的な成長投資の優先もさることながら
売上の大部分が公共案件に依存していて安定した収益を確保しつつも急激な成長が見込めないため配当性向を低めに設定している可能性があると考えています。
一方で安定した株主還元方針を掲げており、配当性向を20%~30%に設定しているアジア航測。
これには、利益の一部を配当に回しつつ、残りを事業拡大や内部留保に充てるバランスを取るためであると考えました。
1株当たりの配当金
補足として1株当たりの配当金について。
2020年から急激に配当金を増額させています。
これには先述した安定した株主還元方針が影響していると言えるでしょう。
現に減益だった年でも増配を実行したという例があり、株主への還元を強化しているという方針は裏付けられています
空運業にありがちな配当金の額が年によってばらばらであるという懸念点が無いというだけで業界内おいては満点の銘柄です。
他にも業績が比較的安定していることやそれが向上していることが増配の原因として考えられます。
9233_アジア航測のまとめ
- 営業利益率、自己資本比率は問題なし
- 配当性向のみ若干低いが増配の傾向は強く配当金の額も安定かつ増加している
まとめ
この記事では空運業のおすすめ高配当株として9233_アジア航測を紹介しました。
配当金が安定しない、財務状況が不安定といった理由から敬遠されがちな空運セクターですが探せばよい銘柄は必ずあります。
分散という考えからもなるべく幅広い銘柄に投資することをおススメします。
また、今回紹介したアジア航測は楽天証券だと単元未満株による投資はできません。
まとめて100買うの単元として投資するか、SBI証券やマネックス証券と言った違う証券口座で投資することをおススメします。
ちなみに私はマネックス証券でNISA枠が使えなくなるものの投資を行っています。
投資は絶対に自己責任で行うことを心がけましょう。